2011年10月12日水曜日

世界侵略:ロサンゼルス決戦

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世界侵略ロサンゼルス決戦 - オフィシャルサイト



「世界侵略:ロサンゼルス決戦」観てまいりました。
本日も爆発的ネタバレで感想をお届けいたします。


映画のストーリーをざっと説明しますと、
ある日突然、地球がエイリアンからの侵略を受けます。battle_los_angeles_pin-20_R  Battle-Los-Angeles-02
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世界の大都市が次々と陥落していく中、アメリカ海兵隊の皆さんが「ロサンゼルスは死守したるねん!」と勇猛果敢にエイリアンに立ち向かう、という非常に分かりやすいお話でございます。


なんでもエイリアンの目的は地球の「水」
エイリアンにとって水は貴重なエネルギー源らしく、地球を侵略・植民地化して海水をゴッソリ頂いちゃおうって寸法だそうです。

事前に電話とかメールで「ちょっとお水ちょうだい♪」って言ってくれれば、少しくらいあげたのにねぇ!

 

資源を奪うために戦争をしかけるってなんか聞いたことありますねぇ。
あ!それこないだアメリカがイラクにやってたやつじゃん!

 

閑話休題。。。

 

まずは「世界侵略:ロサンゼルス決戦」の特徴から。

『インディペンデンス・デイ』『ブラックホーク・ダウン』を足したような世界観ですね。
エイリアン侵略モノを戦争映画のタッチで描いたという感じ。
きっとそこがこの映画のウリでもあるんでしょう。

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「戦争映画のタッチ」という面で特筆すべきはやはり撮影方法でしょう。

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終始、手持ちカメラで撮影されています。

劇中で戦争が起こっている現場のさなか・活躍している兵士達に近い場所でカメラを構えて撮るという事で、観客が兵士達と共に行動しているような効果を出しています。
映像の臨場感という点ではかなり成功しているんじゃないでしょうか。

『どうです?手持ちカメラだと迫力あるでしょ~?』的なあざとさを感じる部分も若干あったけど。

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手持ちカメラで臨場感があるのは良い事なんですが、戦闘シーンのような派手な動きのある場面になると、とにかく見づらい。
誰がどこにいて何をしているのかが一見して分かりにくいんですよ。
ただでさえ海兵隊の皆さんは同じ軍服姿で区別がつきにくいというのに・・・。
もう少しカット割りやアングルを整理して見せて欲しかったです。
誰がどこにいるのかも分からないというのはアクションシーンとして致命的だと思うのですが・・・。


主人公は海兵隊のマイケル・ナンツ二等軍曹(アーロン・エッカート)。
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「気持ちはまだまだ若いもんには負けんが、体力の衰えには逆らえない」と、自らの老いを痛感する毎日。

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ナンツ二等軍曹がゼエゼエ肩で息をしながらランニングしている横を、颯爽と追い抜いていく若い軍人たち。
そんな「軍隊モノの映画で1万回は観たことあるようなシーン」もしっかりあります!

そんな彼にはある暗い過去がありました。
それは、かつて自分の指揮下で部下である兵士を戦死させてしまったツライ経験があるということ。ナンツは常にこの重い責任と罪悪感を感じながら生きているのです。

みなさんどうですか!
この「老いを感じ始めたオッサン+触れられたくない暗い過去」っていう、まさに 俺達が同情したい負け犬設定!

 

そして今回の戦いに参加する兵士達が次々に紹介されます。
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「17歳の童貞青年」だの「このミッションから帰還したら結婚するんだ~」だの「故郷には妊娠した妻がおります」だの「自宅の妻に手紙を書いて・・・」だの「ナンツ軍曹軍曹の指揮下で戦死したのは俺の兄」だの・・・

兵士達それぞれのバックボーンおよび死亡フラグがダイジェストで極めて事務的描かれる訳です。

確かに分かりやすいしスマートだし、短時間で描写できてるけどさ・・・。
ここまでダイジェストでお届けされると、物語っていうより単なる事前情報にしか見えないっていうか。。。


そして任務の遂行へと移ります。
ここからは冒頭でおったてられた死亡フラグを粛々と回収する展開でございます。
我々観客は誰が死んで誰が生き残るのかをひたすら見守る任務に就くこととなります。

負傷しつつもヘリで救出されホッとひと安心した矢先に死ぬ者あり、「妻にこの手紙を渡してくれ・・・」と言い残して自己犠牲的に死んでいく者あり、任務遂行のため自ら危険な場所へ向かっていって死ぬ者あり・・・

とにかくもう色んな戦争物の映画やドラマで10万回は見たことあるような死に様が満載!
アメリカ海兵隊のみなさん、こういうのを日本語で「WAZATORASHII」とイイマ~ス!

 

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兵士達に救助され、彼らと行動を共にしていた民間人の親子も例外なく戦禍を被ります。
兵士達に協力しようと銃を手にとって戦おうとした父親が案の定返り討ちに遭い、「息子を頼む・・・」と言い残して死んでいくという、これまたベタに泣かせる展開
残された息子はお父さんが大好きだったもんだから大ショック。

しかしナンツ2等軍曹がソツなく励まします。
ここから息子が父親の死をどう乗り越えていくのか!?
・・・と思いきや、これ以降親子の話は出てきません!!
ほったらかしかい!


なかでも印象に残ったのは、ナンツ軍曹に対する部下の不満が爆発するシーン。
かつてナンツ2等軍曹の指揮下で兄を亡くした兵士が「軍曹は口を開けば民間人を守れってウルサイけどさー、俺達部下の命はどうだっていいと思ってんでしょ!?だから俺の兄貴も死んだんじゃん!?」と反発します。
するとナンツ軍曹が「私は戦場で命を落とした部下のことを1日たりとも忘れたことはない!」と突如として感情を露にします。
しかも、死んだ部下たちのフルネームと認識番号(恐ろしいほどの桁数)を完璧に記憶しているんですね。

あきらかにやりすぎな演出なんですが、物語も佳境に入っていることもあり、我々観客はナンツ軍曹が部下を見捨てるような冷たい男ではないことくらい知っている&彼への感情移入MAXなため、「どうだ、ナンツ軍曹はこんなに部下思いのいい上官なんだぞ!お前ら部下より俺達のほうが知ってるもんね~!」と若干の爽快感も覚えてしまうという、不思議な感動がありました。

 

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一番の不満点は、肝心のエイリアンがつまんないんですよ。
容姿もつまんないし、戦い方も普通。
得体が知れない割に予想を超えてくれないんですよね。
もう少し独特の兵器とか戦い方で予想外の攻撃をしかけてきてくれれば見所も増えたんじゃないかと思います。

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この手の戦闘機は全然想像の範囲内じゃないですか。

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でもこの兵器はちょっと面白かったかな。

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『マイティ・ソー』のコイツみたいな兵器でした。



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ラストはエイリアン側の司令塔に誘導ミサイルを打ち込んで、見事エイリアン軍の本丸を破壊。

もの凄い勢いと科学力で侵略してきた割には
ミサイル2~3発で終了ってずいぶん弱いな~っていう気もしましたが、『地球が救われるに越したことはないんだから!』と自分に言い聞かせてアメリカ海兵隊の大健闘に拍手を送りました。

やー、めでたしめでたし。

・・・と思いきや「ここから敵を追い込んで一掃したるで~!」と食事する暇をも惜しんで再び戦場へ向かうという「ブラックホークダウンそのまんまやんけ!」と突っ込まずにはいられないエンディングもどうかと思いましたが・・・。

っていうか部下思いを自称するんなら飯ぐらい食わせてやれよ!

 

battle_los_angeles_movie_trailer個人的にはミシェルロドリゲス姐御の活躍をもうちょっと拝みたかったです。
俺が監督なら無理矢理シャワーシーンとか入れるけどね!
「腹が減っては戦は・・・」つってエイリアンの死肉をムシャムシャいっちゃうぐらいの事はあってもよかったんじゃないですか!

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